2010/07/09

ニュアンスの解釈(その2)「透明感を出す」


マスタリングで「透明感を出す」という言葉の表現があります。「パキッとしてほしい」というニュアンスの解釈について前回は話しましたが、このリクエストもアーティストにより解釈はさまざまです。

「透明感を出す」リクエストへの実際の音作り。
1) 音量レベルを下げる。
2) ケーブルを交換する。
3) ローカット、特にキックとベースの音を分離良く聴こえるようにする。
4) ボーカル周りの音を整える。
5) ボーカルの抜けを良くする。
6) コンプを緩めにする。
7) AD、DAコンバーターを変えてみる。
8) アナログ機材でマスタリングする。

「透明感」と一口に言っても実際は、低域の抜け、楽器の分離、ボーカルの質感、広がり、奥行きなど、アーティストの方が何を求めているのかセッティングや機材を変更しながら一緒に音作りしていきます。聴こえにくかったベースラインを引き出すことで透明感が出ましたねという感想を頂くこともあります。

また言葉は「透明感」でも「音の抜け」「切れ」を指している場合もありますのでイメージを合致させて作業することが大切です。アーティストの方が求めているサウンドを探求しそれをクオリティーアップすることがマスタリングの仕事の醍醐味ですね。

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