2019/01/17

J-POPのマスタリング(その1)「ボーカルを引き立てるサウンドメイク」



今回はJ-POPのマスタリングについて(その1)です。

J-POPのマスタリングのポイントは
1.ボーカルにスポットライトが当たっているような存在感のある音作り
2.ボーカルを華やかに引き立てるキラキラ明るく元気なサウンド
があります。


1.ボーカルにスポットライトが当たっているような存在感のある音作り
マスタリングでボーカルを引き立てたいときに、やり方は2通りあります。
・ボーカル成分に直接手を加える
・ボーカル以外の成分を整理する(または抑える)

マスタリングに関わらず、何かを大きくしたら別の何かが隠れる。何かを小さくしたら別の何かが聴こえやすくなる。そういう相関関係があることを理解すると処理の引き出しの数がグッと増えます。

ボーカル成分に直接手を加えるやり方では、ボーカルが引き立つ倍音(歪み)成分を付加するのがとても効果的です。やや大きめの入力レベルでアナログ機材を通したり、アナログモデリング系やサチュレーター系のプラグインを使うやり方があります。プラグインを使用する場合、倍音成分が多すぎるとかえって音像が小さくなってしまうので原音にDry/Wetの割合調整ができる機種を使用してDry100パーセントか薄がけの状態から少しずつWetの割合を増やして聴き比べるのがいいと思います。ボーカルに「艶っぽさ」などと表現されるニュアンスを付加しましょう。

ボーカル以外の成分を整理する(または抑える)場合、一番影響があるのは低域を抑えることです。特に100Hz以下の低域の調整は、その周波数帯域にボーカル成分はほとんど存在しないことが多いにも関わらず、ボーカルの聴こえ方に大いに影響を与えます。ほんの少し(0.数dB)レベルを下げたりコンプで膨らみを抑えると、ボーカルの音像がグッと前に出てきます。


2.ボーカルを華やかに引き立てるキラキラ明るく元気なサウンド
そもそも、どんな音色に「キラキラ感」を感じるのか。その音色のいるところにアプローチしましょう。きっと多くの場合高域寄りの、なおかつサイド成分に存在するのではないでしょうか?音の輪郭をくっきりと出す方向で引き立たせたい場合は1kHzあたりを、レイヤーになったシンセを幅広く引き立たせたい場合は6kHzあたりをブーストするといいでしょう。またサイド成分が引き立つことによって、ステレオの広がりもより感じる仕上がりになります。

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