2013/07/31

ヘッドホン聴取時代の音作り・部屋作り



みなさんは、どんな風に音楽を楽しんでいらっしゃいますか? 住環境や時代性の影響からか、現代においてはヘッドホン/イヤホンをお使いの方が殆どなのではと思います。専用のオーディオルームがあり、スピーカーを大音量で鳴らしている人はあまり見かけなくなりましたね。

スピーカーと、ヘッドホン/イヤホンとの大きな違いは、耳への音の届き方にあります。スピーカーは何らかの空間(一般的には部屋)に設置されますので、耳までの距離は少なくとも数十センチから数メートル、壁や天井、床の反射音も同時に聞くことになります。ヘッドホン/イヤホンは耳に装着しますから鼓膜までの距離はゼロに近く、ゆえに空間の影響も皆無と考えて差し支えありません。

つまり、(当たり前ですが)スピーカーで聞く音とヘッドホン/イヤホンで聞く音とは、かなり異なるわけです。同じ音を聞いた時、部屋の響きが加わるスピーカーの方が、響きの豊かな音になると想像できます。もし、このスピーカーの音が心地よい場合、ヘッドホン/イヤホンで聞く音は(スピーカー聴取と比べると)ドライになるでしょうから、響きが貧弱な印象を受けるかも知れません。

では、ヘッドホン聴取時代における音作りは、どのようにあったらいいのでしょうか。

……漠然と考えていることは、次の2つです。

【音作り】スピーカー聴取より音がドライな(響きがない)傾向になるので、ライブ録音の段階で響きをより豊かに捉えておく。

【部屋作り】ヘッドホン聴取向けの音をスピーカーで聞く場合は部屋(壁や天井、床など)の反射を抑え、ヘッドホン聴取の音に近づけるため、適切な吸音処理を施す。

※ ライブレコーディング時、楽屋を録音室として使用する場合は念入りに吸音します。楽屋は鏡や床からの反射が多く響いて聞こえる分、相対的に録る音の響きを抑えてしまうからです。時間がなく十分に吸音できない場合には、経験値とヘッドホンに頼ります。


音響パネル「SHIZUKA Stillnes Panel」

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